男性の更年期障害の原因とは




男性更年期障害の原因は、テストステロンの減少することにあります。テストステロンには、以下のような働きがあります。
・骨や筋肉を作り、強さを保つ
・性欲や性機能の源になる
・血液を作る
・動脈硬化を予防する
・メタボリックシンドロームのを予防する
・体内時計を保つ
・やる気を高める
・判断力や決断力を高める
・睡眠の質を保つ

更年期障害を悪化させる原因

それは「不眠症(睡眠に関するトラブル)」なんです。
テストステロンは、主に睡眠中に作り出されています。しかし、睡眠不足が続くことでテストステロンを作り出す量は急激に減ってしまいます。
アメリカの医師会によって発行されている医学雑誌「JAMA」によると、睡眠不足が一週間続くと、テストステロンが15%低下するとのこと。
テストステロンは加齢と共に、年1%~2%の割合で減少すると言われています。しかし、一週間で15%減少するということは、「本来なら10年かけて減少するはずのテストステロンが、たったの一週間で減ってしまった」ということなのです。

男性更年期障害の症状とは




男性更年期障害の症状には、「身体症状」と「精神症状」が上げられます。
身体症状
身体症状とは、以下の通りです。
・筋力低下
・疲れやすい
・ほてり、発汗(ホットフラッシュ)
・頭痛、めまい、耳鳴り
・性機能低下
・頻尿
精神症状
精神症状とは、以下の通りです。
・不安になる
・イライラ
・うつっぽくなる
・眠れない、すぐに目が醒める
・集中力の低下
・記憶力の低下
・性欲の減少
この中でも、特に出やすい症状は「集中力の低下」「無気力」「不眠」です。
(引用:メンズヘルスメディカル)
もし、今までは無気力や不眠に悩んでいなかったのに急に症状が出た・・・という方は、更年期症状が出始めている可能性が高いと言えます。
男性の更年期障害のチェックリスト
以下が、男性更年期障害のチェックリストです。思い当たる症状レベルの点数を合計してください。
症状 | なし | 軽い | 中程度 | 重い | 非常に思い |
---|---|---|---|---|---|
①総合的に調子が思わしくない(健康状態) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
②関節や筋肉の痛みがある(腰痛、手足の痛み) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
③ひどい発汗がある(突然汗が出る) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
④睡眠の悩みがある(寝つきが悪い、疲れがとれない) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑤よく眠くなる、しばしば疲れを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑥イライラする(些細なことで腹を立てる) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑦神経質になった(緊張しやすい、落ち着かない、じっとしていられない) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑧不安感がある(パニック状態になる) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑨体の疲労や行動力の減退 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑩筋力の低下 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑪憂鬱な気分になる(落ち込む、意欲がわかない) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑫絶頂期は過ぎたと感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑬力尽きた、どん底にいると感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑭ひげの伸びが遅くなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑮性的能力の衰え | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑯早朝勃起(朝立ち)の回数の減少 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
⑰性欲の低下(性交の欲求が起きない) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
(参考:AMS Questionnaire)
チェックリストの合計点により、以下のような可能性があります。
17点~26点 | |
---|---|
27点~36点 | |
37点~49点 | |
50点以上 |

更年期症状の予防方法は、「更年期症状をやわらげる方法」をご覧ください。
男性の更年期障害の治療法


・ホルモン治療
・漢方薬
・抗うつ剤
・サプリメント
などが使われています。
しかし、女性の更年期治療にあるような「決定打」というべき治療法は存在していないのが事実なんですよ。自分に合った治療法が見つからず、症状が悪化してしまうケースも多くあるのが現状です。
ホルモン治療
ホルモン治療とは、更年期で不足した男性ホルモンを外から補充する治療方法です。
ホルモン治療を受けるためには、病院で検査を受ける必要があります。血液検査の結果、テストステロンの値が基準値を下回っていた場合、ホルモン補充治療が効くことが多くあります。
しかし、男性の場合、テストステロンの数値が低くなっていてもある程度は分泌されているので、急激に症状が改善するほどの威力はありません。
通常、2週間~3週間に1回、あるいは月に1回~2回のペースで注射を打ち、ホルモンを補充します。
しかし、ホルモン治療には副作用も指摘されています。具体的な内容としては、
・前立腺がんのリスク上昇
・肝機能の低下(悪化)
・多血症
・むくみやすくなる
・善玉コレステロールの減少
などです。
漢方療法
漢方薬を服用することで、一つの症状を改善するのではなく、心身の調子を底上げして、更年期症状をやわらげることができます。
しかし、漢方薬には多様な種類があり、自分に合うものを探すのが難しいことがデメリットです。また、体質によっては激しい副作用が起きる場合もあります。
サプリメント
サプリメントとは、不足しがちな栄養素を補うことができる食品のことです。一般的な薬や漢方薬のように副作用が起きにくく、手軽に始められるため人気を集めています。
ただ、更年期症状があまりに重症な場合は、効果を実感しにくい可能性があります。

男性更年期障害の症状をやわらげる方法


・食生活の改善
・ストレス解消
・適度な運動
などをすることでテストステロン量を増やすことで、更年期症状の緩和につながります。
ストレスを解消する
順天堂大学医学部の堀江教授によると「強いストレスを感じると、脳の視床下部からCRFというホルモンが出て、精巣がテストステロンを作るのを抑えてしまう」とのこと。
ストレスを溜め続けると男性ホルモンは減り続け、更年期症状の悪化の原因になってしまいます。
忙しい生活や気分が落ち込んでいるときにストレスを解消するのは簡単なことではありません。「どうやったらストレスが解消できるか分からない!」と、逆にストレスに感じてしまう人もいるでしょう。
ですので、ストレス解消法が思いつかないときは、「少し散歩をする」「好きなものを食べる」などをして、少しでも気分があがるようなことをしてみてくださいね。
食生活を改善する
テストステロンを増やしやすい食事を意識して取ることで、更年期症状の緩和につながります。
テストステロンを増やしてくれる栄養素は、以下の通りです。
・たんぱく質
・亜鉛
・ビタミン
たんぱく質が含まれている食べ物で、特におすすめなのが「玉ねぎ」です。
(引用:ふくろう医者の診察室)
玉ねぎは血中のテストステロン量を増加させるだけでなく、「ケルセチン」という成分により、テストステロンが体外に排出されるのを防いでくれる効果もあります。
「テストステロン量を高めたいけれど、何を食べたらいいか分からない!」という方は、ぜひ玉ねぎを食べてみてくださいね。
適度な運動をする
ウォーキング、スクワットなどの運動をすることで、テストステロンが増加するという調査結果が発表されています。(筑波大学大学院鰺坂教授)
(引用:日経ヘルス)
しかし、日経グッディによると、フルマラソンのような激しい運動はテストステロン量が大幅に減少するとのこと。激しい運動ではなく、毎日続けられるようなゆるい運動をおすすめします。
男性更年期障害のまとめ
女性と同じく、男性も更年期障害になる、ということがお分かりいただけましたでしょうか。今までは気にならなかった症状が気になる場合、更年期障害の症状が出ている可能性があります。
「気になる症状がある」というひとは、是非対策をとってみてください。「ある症状によって生活に支障をきたし始めている」という人は、サプリメントなどで改善することをおすすめします。