

今までは何ともなかったのに、急にカッと暑くなって「いったい何でなの!?」と驚く方もいらっしゃいます。暑さを感じやすくなり、「私ってもしかして更年期かな?」と意識し始める人も多いようです。
この記事では、
・更年期障害で暑くなる原因
・更年期障害で暑くなる対策方法
についてご紹介します。
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更年期障害で暑くなる原因


自律神経の乱れ

私たち女性は、卵巣でエストロゲンという女性ホルモンを分泌しています。エストロゲンは、女性らしい体を作ったり、妊娠を助ける働きをしています。9歳~10歳ごろからエストロゲンの分泌が始まるのですが、加齢と共に卵巣機能が低下し、徐々にエストロゲンを作りだせなくなってしまいます。
エストロゲンは、脳の視床下部(ししょうかぶ)・下垂体(かすいたい)という中枢機関からの指令で分泌されています。しかし、卵巣機能が低下しだすと、脳からの指令にこたえることができません。しかし脳はそのことに気づかず、「エストロゲンを作って!」と卵巣に指示を出し続けます。ですが、やはり卵巣はエストロゲンを作り出すことができず、脳は「どうして!?」と混乱してしまいます。
脳の視床下部・下垂体は、ホルモンの調節だけでなく、自律神経の調節もしています。卵巣からエストロゲンが作り出されないことに脳が混乱すると、自律神経の調節にも影響してしまい、自律神経が乱れてしまうのです。
自律神経の乱れとは、興奮したりストレスを感じた時に働く「交感神経」と、リラックスしているときに働く「副交感神経」のバランスが悪くなる、ということです。本来なら、何らかの刺激を受けて交感神経が高ぶっても、副交感神経が働きかけることで、もとの状態に戻ります。
しかし、エストロゲンが減少→脳が混乱して自律神経が乱れると、交感神経は高ぶりやすくなり、副交感神経はおさえられてしまいます。
交感神経が高ぶると、私たちの心臓の鼓動や呼吸は早くなり、瞳孔が開き、血管は縮小し体温が上がります。体温が上がるので、汗も出やすくなります。更年期に暑くなりやすいのは、女性ホルモンの減少→自律神経の乱れ→交感神経が高ぶりやすくなることが原因なのです。
更年期障害で暑くなるのを対策する方法
大豆イソフラボンを摂る
大豆イソフラボンはエストロゲンと同じ働きをし、更年期症状をやわらげることが分かっています。
女性ホルモンの減少で自律神経が乱れ「暑さ」を感じやすくなっている場合、大豆イソフラボンはとても効果的です。
「どんな食べ物に大豆イソフラボンが多く含まれてるの?」「1日どれくらい摂ればいいの?」など、詳しくは「大豆イソフラボンが更年期障害に与える効果とは!摂取量や副作用は?」をご覧ください。
冷たい飲み物を多くとらない
まわりが暑く感じると、つい冷たいお水やお茶などを飲んでしまいがち。ですが、冷たい水を一気に飲むと、胃腸の機能が低下したりむくみの原因になってしまうので注意が必要です。
特に、「一日にたくさんお水を飲んだほうが、デトックスできていい!」なんて話も出回ったことから、一度に大量のお水やお茶がぶがぶ飲む人が増えています。しかし、腸が一度に吸収できる水分の量は決まっているので、たくさんお水を飲んでも吸収できず尿として排出されます。
また、塩分には、摂った塩分の約7倍ものお水を抱え込むという性質があります。つまり、普段塩分を多めに摂っている人は、無意識に大量の水分もとってしまっているということ。取り過ぎた水分はむくみとなって体にあらわれてしまいます。
「暑い!」と感じたときでも、水分はこまめに摂取するようにしてください。また、できるだけ氷は要れず、口の中で水分をすこし温めてからのむことで、胃腸を守ることができます。
体を冷やしすぎない
暑くて汗をかいてしまうとき、ついつい薄着になっていませんか?暑さを感じやすい人は薄着になったり体を積極的に冷やしがちなのですが、冷えが自律神経の乱れをまねいて、さらに暑く感じる・のぼせやすくなっている可能性があります。
体は「冷え」を感じると、寒さから身を守るために肝臓や腎臓などを臓器を守ろうとします。そのために、手や足など「体の末端」の血管を収縮させて流れる血の量を減らし、生命活動に重要である臓器に血を集めます。
冷えを感じる時間が長い、何度も繰り返されていると、交感神経が刺激されたままの状態になります。交感神経が働きっぱなしになると、今度は体がカッと熱くなったり大量の汗をかいたりしてしまいます。
更年期に「暑いときと寒いときが交互にくる!」という女性は、暑い→体を冷やす→自律神経が乱れる→急に暑くなるを繰り返している可能性が考えられます。
更年期障害で寒い・悪寒を感じる原因


自律神経の乱れ
急に感じる「暑さ」と同じく、「寒さ」も女性ホルモンの減少で脳の視床下部が混乱することでおきます。脳の視床下部という中枢は、女性ホルモン・自律神経の調節だけでなく、私たちの体温の調節も行っています。
ですから、視床下部が混乱してうまく働かなくなると、体温の調節がうまくいかないことも増えてしまいます。
基礎体温の低下

女性の基礎体温には、低温期と高温期があります。エストロゲン(卵胞ホルモン)が出ている時期には低温になり、排卵がおこりプロゲステロン(黄体)ホルモンが分泌されると体温は上がります。
しかし、更年期に入り排卵がなくなるとプロゲステロンの分泌量が減少し、高温期は徐々になくなっていきます。つまり、ずっと低温期が続くようになるのです。
低体温症とまではいきませんが、人によっては低体温になることが原因で体調不良を感じる人もいます。
更年期障害で寒くなるのを対策する方法
体を温める
とにかく体を温めて、冷えを遠ざけましょう。女性はもともと冷えやすく、特に更年期には冷えの影響を感じやすいもの。スカートではなくパンツを履く、出かける時も足元をしっかりと温める、重ね着をする、シャワーではなく湯船につかる・・・など、できるだけ体を温めてあげてください。