精神的に不調があり婦人科に行き、デパスを処方されたけれど、どんなお薬かよくわからない。「精神安定剤」と聞いたけど、本当に副作用はないの?と、飲むのが怖くなっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、
・デパスとはどのようなお薬か
・デパスのもつ効果
・デパスの副作用
についてご紹介しています。
スポンサーリンク精神安定剤「デパス」とは


デパスとは、ベンゾジアゼピン系に分類される、精神安定剤の一種です。ベンゾジアゼピン系とは、「イライラ」や「不安」を抑制してくれるギャバという脳内神経伝達物質を活性化する働きがあります。
同じベンゾジアゼピン系のお薬の中でも作用は中~強程度で、作用時間は約6時間以内と短時間のみ作用するお薬です。
精神的に不安がある方や、パニック障害、自律神経失調症、不眠症、統合失調量の方に処方されることがあります。
ギャバとは、ギャバはカカオ、チョコレート、玄米麦芽などに多く含まれています。「ストレス社会で戦うあたなに」と書かれたギャバ入りチョコレートを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
「デパスはうつ病のお薬」だと勘違いされている方が多いのですが、デパスはうつ病を治療するためのお薬ではありません。精神的な不安、イライラ、気分の落ち込みなどを治療するための精神安定剤です。
ちなみに、「精神が不安定な状態」と「うつ病」とは、まったく異なります。うつ病は、脳の物質が正しく働かなくなる病気です。精神安定剤でうつ病を治療することはできません。
更年期障害におけるデパスの効果
デパスが国から認められている効果・効能は以下の通りです。
神経症における不安・緊張・抑うつ・神経衰弱症状・睡眠障害
うつ病における不安・緊張・睡眠障害
心身症(高血圧症,胃・十二指腸潰瘍)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害
統合失調症における睡眠障害
頸椎症,腰痛症,筋収縮性頭痛における不安・緊張・抑うつおよび筋緊張
(引用:田辺三菱製薬株式会社)
これだけでは少し分かりづらいので、それぞれ細かく説明いたします。
気持ちを安定させる
デパスには、「気分が落ち込む」「うつっぽくなる」などの気持ちの不調を改善し、気持ちを安定させる効果があります。
更年期障害で気分が不安定になるのは、更年期に入ると卵巣機能が低下し、女性ホルモンが欠乏するからです。女性ホルモンには精神を安定させる作用があるため、更年期に入り分泌できなくなると、急に不安感におそわれやすくなるのです。
不眠を改善する
デパスは、睡眠障害を改善する効果があります。
睡眠障害とは、
・入眠障害(なかなか寝付けない)
・中途覚醒(眠っても何度も目が覚める)
・早期覚醒(朝早く目が覚める)
・熟眠障害(しっかり眠れた感じがしない)
これら4つのことを指します。
更年期障害による睡眠障害については、「更年期障害による不眠・眠れない原因と解消法とは【薬・生活習慣】」も参考にしてください。
筋肉の緊張をやわらげる
デパスには、筋肉の緊張をやわらげる効果があります。具体的には、がんこな肩こり、腰痛、緊張でおきる頭痛などを改善してくれます。
「不安症状があったからデパスを処方してもらったら、今まで悩んでいた肩こりも良くなった」という人も多くいらっしゃいます。
デパスの副作用について


デパスの販売会社である田辺三菱製薬株式会社が行った臨床試験によると、デパスの服用によって、以下のような副作用がおきたとのことです。
・眠気(444件、全体の3.6%)
・ふらつき(241件、全体の1.95%)
・倦怠感(77件、0.62%)
・脱力感(46件、全体の0.37%)
また、長期的に服用すると依存症状がでたり、自己判断で服用を中止すると、症状が悪化する(イライラや不安感が強くなるなど)ことがあります。デパスの服用は必ず用法容量を守り、自己判断で中断したり、多く服用しすぎないようにしてください。お医者さんの指示のもと、服用をしてくださいね。