「生理でもないのに急に出血をした」「不正出血のようだけど、これってどうして?」と不安に思われていませんか?更年期は、ホルモンバランスの変化などにより、不正出血をおこしやすくなります。
こちらの記事では、
・更年期の不正出血はなぜ怖いの?
・更年期に不正出血をおこす原因
・病気が原因で不正出血をおこすこともある
についてご紹介しています。
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更年期の不正出血はなぜ怖いの?
「不正出血をしたときは、病気の疑いがある」と聞いたことがありますか?それとも、「更年期の不正出血は誰でもおこるものだから、そんなに怖いものじゃないよ」と思っていらっしゃいますでしょうか?
まず初めにお伝えしたいのは、「更年期の不正出血には重大な病気(がん)が潜んでいる可能性があるため、放置するのは危険である」ということです。
もちろん、不正出血があるからといって、全ての方が何らかの病気を発症している訳ではありません。ホルモンバランスの乱れや、性行為、ストレスによっても不正出血をおこすことがあります。
ですが、不正出血をおこしたときは、早めに婦人科で検査を受けてください。「体調もいいし、たぶんそんな怖い病気じゃないからわざわざ検査を受ける必要はないよ」とお考えかもしれませんが、それが命取りになりかねません。
一度でも婦人科で検査を受けておくことで、不正出血の原因も、あなたの健康状態も、しっかりと把握をすることができます。そうすれば、これからまた不正出血がおこったとしても、「もしかして病気なんじゃないの?」と不安にならずに生活できますよね。
脅かすようなことをお伝えして申し訳ありませんが、あなたの健康のためにも、ぜひお早めに病院を受診してくださいね。
更年期に不正出血をする原因


①ホルモンバランスの乱れ
②接触出血(セックスなど)
③妊娠
があげられます。
ホルモンバランスの乱れ
更年期におこる不正出血の多くが、ホルモンバランスの乱れが原因です。ホルモンバランスの乱れによって不正出血がおこることを、機能性出血と呼びます。
私たちの体では「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2種類の女性ホルモンを分泌しています。しかし、加齢と共に卵巣機能が衰えてしまうことで、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は減っていってしまいます。
本来はエストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されることで、ほとんど決まった周期で生理がやってきます。しかし、更年期に入りホルモンバランスが変わってしまうと、月経時でもないのに出血をしてしまうのです。
ホルモンバランスの乱れによる不正出血は、一日だけで終わることもあれば、数週間続くこともあります。
接触出血
セックスの直後に出血をしていませんか?その場合は、接触出血と呼びます。
更年期は、膣の潤いを保つ「エストロゲン」の分泌量が減るため、膣が乾燥しやすくなります。そうなることでセックス時に出血をしやすくなるのです。
妊娠
避妊をせずにセックスをしましたか?もしそうである場合は、妊娠して間もない時期に不正出血をおこすことがあります。
「更年期に妊娠?まさか!」と思われる方も多いのですが、厚生労働省の調査によると、最近でも更年期女性の中絶率は下がっていないことが分かっています。
更年期の妊娠と避妊ついては、「更年期に妊娠する可能性と高齢出産の危険性について!確実な避妊方法も」をご覧ください。
病気が原因で不正出血することもある?

子宮頸がん
不正出血でもっとも怖い原因が子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)です。
子宮頸がんは、セックスによってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで発症します。HPVウイルスは、足の裏や手の甲などにできるイボの原因にもなるありふれたウイルスです。
HPVウイルスに感染したからといって、すぐに子宮頸がんを発症する訳ではありません。しかし、人生で一度でもセックスをしたことがある人は子宮頸がんのリスクがあるということを覚えておいてくださいね。
子宮頸がんの初期症状は、まったくと言っていいほどありません。不正出血やおりものが出るようになったときには、子宮頸がんが進行していると考えられます。
早期に治療をすることで完治を目指せますので、不正出血がみられたら、できるだけ早く病院を受診してくださいね。
子宮体がん
子宮体がんは、エストロゲンが過剰に分泌することで発症してしまいます。特に40代~50代の更年期女性は子宮体がんにかかりやすいため、注意が必要です。
更年期を迎え排卵が止まると、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があるうち、エストロゲンだけが過剰に分泌されてしまうことがあります。エストロゲンが多く分泌されると、子宮内膜が増えてしまい、「子宮内膜増殖症」という病気を発症してしまいます。この「子宮内膜増殖症」が進行することで、子宮体がんになってしまうのです。
特に50代の女性は、排卵が止まりエストロゲンの過剰分泌がおきやすいため、子宮体がんの発症率がとても高いもの。不正出血がなくても、定期検診でがんがないかを知っておくことも大切です。
子宮膣部びらん
不正出血をおこす病気の中には、膣がただれる子宮膣部びらんというものがあります。
成人女性の約8割~9割の人に子宮膣部びらんがあるとされていますが、ほとんどの場合、自覚症状がありません。子宮膣部びらんは命を脅かしたりする危険な病気ではないため治療の必要はありませんが、あまりに出血を繰り返す場合は生活の質を下げてしまいますので、婦人科での治療をおすすめいたします。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管(しきゅうけいかん)の細胞の一部が増殖し、ポリープ状のものができる子宮頸管ポリープという病気が原因でも、不正出血をおこします。
子宮頸管ポリープがあると、少しの刺激でも出血しやすくなるのが特徴です。特にセックスをしたあとに出血をしやすくなります。子宮頸管ポリープの原因ははっきりしていません。
ポリープのほとんどは良性なので、がんになったり、転移することはありません。しかし、まれに悪性の子宮頸がんになることもあるので、出血をしているときは早めの受診をおすすめいたします。
膣炎
外陰部や膣に痛みやかゆみを伴っている場合、膣炎によって不正出血をおこしている可能性もあります。
更年期の膣炎については、「更年期のおりものの状態から考えられる炎症・病気一覧!量が多い・水っぽいのはなぜ?」の、「おりものの状態から見る炎症・病気」を参考にしてください。