「更年期に入ってから息苦しくなることが増えたけど、これってどうして?」と不安に思われていませんでしょうか。更年期には、更年期特有の原因で息苦しさを感じることが多くなります。
こちらの記事では、
・更年期に息苦しくなる原因
・更年期の息苦しさを解消する方法
・病気が原因で息苦しくなることもある?
についてご紹介しています。
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更年期に息苦しくなる原因


①自律神経の乱れ
②ストレス
があげられます。
自律神経の乱れ
更年期は、自律神経が乱れやすいために、息苦しさを感じることが多くなります。
私たちは無意識に呼吸をして、心臓を動かしていますよね。これらは全て、自律神経がコントロールしてくれています。呼吸を整えてくれている自律神経が乱れてしまうと、息が苦しくなったり、胸が苦しくなったりするのです。
更年期は、特に自律神経が乱れやすい時期です。というのも、更年期に入ると女性ホルモンが十分に分泌できなくなり、自律神経を調節している脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分が混乱してしまうため。
「ホットフラッシュ」「めまい」「疲れがとれない」などの更年期症状も、加齢によって女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れてしまうためにおきてしまうものなのです。
「息苦しい」と感じる程度や頻度によって異なりますが、更年期に「息苦しい」と感じる原因は、そのほとんどが自律神経の乱れからきていると考えられます。
ストレスによる筋肉の緊張
ストレスを感じることで、息苦しさを引き起こしていることもあります。

私たちがストレスを感じたり緊張することがあると、「交感神経」という神経が活発になります。交感神経が活発になると、心臓や肺まわりの筋肉がかたくなり、呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなると、どうしても息苦しさを感じやすくなってしまいます。
更年期は、ストレスを感じやすい時期です。更年期障害による心身の不調や、環境の変化、家庭や子育て、仕事に家計のことなど、考えねばならないことが多くありますよね。
そういったストレスを日々感じていることで、どんどん息苦しくなってしまっている可能性もあります。
更年期の息苦しさを解消する方法


リラックスする
更年期の息苦しさを改善できるもっとも簡単な方法は、リラックスをすることです。
「息苦しさの原因」でもお伝えしたように、私たちはストレスを感じたり、緊張したり、嫌だなと思うことが多ければ多いほど、息苦しさは悪化してしまいます。ですので、緊張や不安からできるだけ離れて、ゆっくりリラックスをしてください。
あなたが「癒されるな」「楽しいな」と思えることは何でしょうか?散歩をする、友達をお話しをする、お花を見る・・・どんな小さなことでもかまいません。ホッと安心できるようなことに積極的に触れることで、息苦しさは改善されますよ。
腹式呼吸をする
「リラックスをする方法」の中でも特に簡単にできて、効果的なのが、腹式呼吸をすることです。既にご存知かと思いますが、腹式呼吸とは、胸ではなくお腹を使った呼吸法のこと。
腹式呼吸は、呼吸をするだけで副交感神経という神経が優位になり、体も心もリラックスした状態になれることが分かっています。(参考:腹式呼吸が自律神経機能に与える影響 坂木加壽美)
「お腹で息をする」と考えるとつい難しくとらえてしまいがちですが、一度ベッドや床で仰向けになって呼吸をしてみてください。お腹にたまった息を全部吐き出しながらお腹をへこましたあとに、ゆっくりたくさんの息を吸いながらお腹をふくらませると、自然に、苦しくなくお腹が膨らみませんか?これが、腹式呼吸ができている証拠です。
「立ったまま腹式呼吸をする」というのは実は簡単ではなく、自分でできていると思っても、できていないことが多くあります。ですので、「ちょっとリラックスしたいな」と思ったときは、仰向けになって、呼吸をするようにしてくださいね。
呼吸を意識する
私たちが生活しているうちに、特に息苦しくなるシーンがあります。それは、歩いているとき、お風呂に入っているとき、前かがみになったときです。これらの動作をするときは、意識をして深く呼吸をするようにしましょう。
歩くときは、どうしても肺に負担をかけやすくなり、息苦しさを感じることが多くなります。荷物はできる限り減らして、軽くするようにしましょう。また、両手が空いている方が息をしやすいので、外出先で息苦しさを感じやすい人は、リュックの使用がおすすめです。
お風呂に入っているときは、体が温まって血流がよくなるので、必要な酸素の量が増え、息苦しくなりがち。
意識して息を吸う、吐くようにすることで、息苦しさは感じにくくなりますよ。また、お風呂の温度が熱すぎると体に負担を与えてしまうので、お風呂は38℃~40℃くらいぬるめに設定するようにしてくださいね。
前かがみになったときは、肺が圧迫されるため、息苦しく、また胸も苦しく感じやすくなります。できるだけ前かがみにならないようにするか、上半身はおこした状態で、ひざを曲げて物を持ち上げるようにすると、楽にできますよ。ぜひ試してみてくださいね。
病気が原因で息苦しくなることもある?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
あまりに息苦しさがひどい場合、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気の可能性もあります。
COPDとは、何らかの原因で気管支や肺胞が傷付けられるために、せき・たん・息切れなどがおき、肺の機能が低下する病気のことです。COPDはたばこ病とも呼ばれており、喫煙者の5人に1人は罹患していると言われています。
症状が悪化すると自分の肺を使って呼吸をすることができなくなる恐ろしい病気です。しかし、COPDだと診断されずに生活している「隠れたCOPD患者」は日本に約700万人もいると言われています。(参考:肺と呼吸に不安があるときに読む本 寺本著)
パニック障害
急に激しい不安感に襲われて、呼吸困難、胸の痛み、動悸、吐き気、めまいなどを数分間ひきおこす場合、パニック障害の可能性もあります。今までパニック障害をおこしたことがなかったのに、更年期に入ったとたんに症状をおこす人も多くいらっしゃいます。
また、息苦しさや動悸などは発作のように何度も繰り返しおきることが多いため、パニック発作や不安発作などとも呼ばれています。「息苦しくなって立っていられなくなる」「めまいや呼吸困難などの症状も強く出る」という場合、心療内科や精神科での診察を強くおすすめいたします。
うつ病
息苦しさだけでなく、「気分が落ち込む」「不安感がおさまらない」などの心の不調もある場合は、うつ病の可能性もあります。うつ病は「単なる心の不調」が原因ではなく、脳の物質が正しく働かなくなることが原因なので、お薬による治療が必要です。