更年期障害と自律神経失調症の違いとは?自律神経失調症の原因と改善方法

更年期障害と自律神経失調症の違いとは?自律神経失調症の原因と改善方法
更年期に悩む主婦・山田さん
私更年期なんですけど、急に不安になったりイライラしたりして、自律神経失調症なんじゃないかな?とも思ってるんです。
くみちゃん先生
更年期障害とは、女性ホルモンが不足し自律神経が乱れることで起きる症状のことです。つまり、自律神経失調とは更年期症状の一つなんですよ。
更年期に悩む主婦・山田さん
えぇ!そうだったんですね!
くみちゃん先生
自律神経失調症について、詳しく説明していきますね。
スポンサーリンク

自律神経失調症とは

自律神経ー交感神経と副交感神経の働き

自律神経失調症とは、活動する神経と言われる「交感神経」と、休息する神経と言われる「副交感神経」のバランスが乱れ、精神的・肉体的な症状が現れる病気のことです。

本来ならば、運動をしたりストレスを感じたときに交感神経が優位になり、それを元の状態に戻すために副交感神経が働きます。しかし、強いストレスや睡眠不足などの原因により、交感神経が強く働きすぎ、副交感神経がおさえられてしまうために、自律神経失調症の症状が出てしまうのです。

男性に比べて、女性は2倍以上もの発症率があると言われています。なぜなら、女性ホルモンと自律神経は密接な関係にあるからです。

女性ホルモンの分泌は、脳にある「視床下部(ししょうかぶ)」という中枢でコントロールされています。さらに、視床下部は自律神経もコントロールしているため、女性ホルモンのバランスが崩れて視床下部が影響を受けると、自律神経にも影響してしまうのです。

また、自律神経失調症はその人の性格(パーソナリティ)も強く影響します。

自律神経失調症に悩む人の性格には、共通する特徴があります。

人付き合いがいい、親切、気さく、明朗、活力があって興奮しやすい、柔和で苦労性
仕事熱心、凝り性、正直、几帳面、強い正義感・責任感がある
ストレスに弱い、神経質、悲観的、くよくよ悩む、些細なことにこだわる、他人の評価が気になる

 

更年期障害と自律神経失調症の違いとは

更年期に悩む主婦・山田さん
結局、更年期障害と自律神経失調症は「違うもの」ではなくて、自律神経失調症は「更年期障害の一つ」なんですよね?
くみちゃん先生
そうなんです。更年期に入り女性ホルモンが減少すると、自律神経は乱れやすくなります。そこで、「イライラ」や「不安」などの自律神経失調症状が強く出ている場合、「更年期によって自律神経失調症が起きている」ということになります。

更年期に悩む主婦・山田さんの質問の通り、「更年期障害と自律神経失調症はまったく違うもの」ではなく、「更年期障害の一つの症状として、自律神経失調症がある」のです。

しかし、更年期障害になったからといって、必ず自律神経失調症になる訳ではありません。

 

自律神経失調症の症状

更年期に悩む主婦・山田さん
自律神経失調症って、具体的にどんな症状が出るものなんですか?
くみちゃん先生
「イライラする」「情緒不安になる」などの精神的な症状や、「頭痛がする」「耳鳴りがする」「汗が出る」などの肉体的な症状が挙げられます。

精神神経症状

感情的
イライラ、怒りっぽくなる、すぐ悲しくなる、情緒不安定になる
不安感
不安になる、恐怖心がある、不信になる
ネガティブ思考
落ち込む、些細なことが気になる、悲観的になる
無気力感
やる気が出ない、何もしたくない、自己嫌悪
集中力の低下
気が散る、物忘れをする、記憶力が低下する

 

自律神経症状

頭痛、頭が重くなる
耳鳴りがする、耳の閉そく感
疲れ目、涙目、ドライアイ、まぶたのけいれん、眼精疲労
ドライマウス、口中の痛み、唾液がたまる、味覚異常
喉のつまり、異物感、圧迫感、いがいが感

心臓・血管系
動悸、胸部圧迫感、めまい、立ちくらみ、血圧の変動
消化器系
食道のつかえ、吐き気、腹部膨満感、下腹部の張り、下痢、便秘、ガスがたまる、食欲不振、過食、拒食、胃痛、胃炎
呼吸器系
息切れ、息苦しい、息ができない、酸欠感
泌尿器系
頻尿、残尿感、尿が出にくい、尿漏れ
生殖器系
性機能障害、生理不順、外陰部のかゆみ

 

体性神経症状

筋肉・関節
筋肉痛、関節痛、力が入らない
皮膚
乾燥、かゆみ、多汗、冷や汗、汗が出ない
手・足
だるい、しびれ、けいれん、痛み、冷え、ほてり
首・肩・背中
こり、張り、痛み

男性の自律神経失調症とは

田中さん
女性だけでなく、男性も自律神経失調症になることはあるのでしょうか?
くみちゃん先生
自律神経失調症は女性がなりやすい病気ですが、男性がかかることもあります。主に、加齢による男性ホルモンの減少が原因だと言われています。

男性は、テストステロンという男性ホルモンを分泌しています。このテストステロンは、「骨や筋肉を作り、強さを保つ」「やる気を高める」などのさまざまな働きをしています。

年代別テストステロン(男性ホルモン)分泌量

しかし、40歳を過ぎると、テストステロンの分泌量は徐々に低下していきます。テストステロン量が減っていくことで、体や心にさまざまな症状が出るのです。これが、男性の自律神経失調症の原因です。

 

自律神経失調症が原因で高血圧になる?

更年期に悩む主婦・山田さん
そう言えば、自律神経失調症が原因で「高血圧」や「糖尿病」になるって聞いたことがあるのですが、本当ですか?
くみちゃん先生
自律神経失調症が原因で高血圧を引き起こすことがあります。

活動する神経と言われている「交感神経」が強く働きすぎることで血管が狭くなり、高血圧を引き起こすことがあります。

交感神経以外にも、塩分の摂り過ぎ、肥満、喫煙なども高血圧の原因の一つです。

 

自律神経失調症と糖尿病の初期症状は似ている?

更年期に悩む主婦・山田さん
自律神経失調症と糖尿病には、何か関係があるんですか?
くみちゃん先生
自律神経失調症の症状と、糖尿病の症状はよく似ています。自己判断が難しいので、疑わしい場合は早めの受診をおすすめします。

糖尿病の初期症状として、以下のようなものが挙げられます。
・ひどく喉が渇く
・いつもより多く水分が欲しくなる
・頻尿になる、尿の量が多くなる
・体がいつもよりだるくなる
・疲れやすく、疲れがとれにくい
・手足がしびれる

 

また、糖尿病の合併症として、以下のようなものがあります。

【糖尿病網膜症】…目がかすむ、視力が低下する
【糖尿病腎症】…血圧が上昇する、尿のなかにたんぱくが出る、体がむくむ
【糖尿病神経障害】…体がほてる、痛みがでる
(参考:協和発酵キリン株式会社 糖尿病サポートネット)

これらのような症状がでている場合、糖尿病である可能性が高いと言えます。

 

自律神経失調症は病院の何科で見てもらうべき?

更年期に悩む主婦・山田さん
自律神経失調症のような気がするのですが、病院の何科にかかればいいか分かりません。
くみちゃん先生
絶対にこれが正しい、というものはありません。今じぶんにはどのような症状が出ているか?を基準に、受診する科を決めることをおすすめしています。

現在、あなたにはどのような症状がでているでしょうか?

「頭痛」「胃痛」「吐き気」「息切れ」など、体に複数の症状がでている場合は、一般的な内科がいいでしょう。

体に不調はないものの、「イライラする」「すぐに不安になる」「気分が落ち込みがち」などの精神的な不調がある場合は、「心療内科」「精神科」などをおすすめします。

「激しい頭痛がするが、その他の症状はまったくない」「めまいだけがとにかくひどい」など、一つだけ症状が出ている場合は、その症状を専門として診ている病院(科)に行くのがいいでしょう。

「ホットフラッシュ(急に大量の汗をかく)」や「生理不順」など更年期障害の症状もでているようであれば、「婦人科(レディースクリニック)」がおすすめです。

 

自律神経失調症の改善方法:

更年期に悩む主婦・山田さん
自律神経失調症を改善する方法には、どのようなものがあるんですか?
くみちゃん先生
自律神経失調症は、①お薬・漢方・サプリなどを服用する②生活習慣を改善することで改善することができます。

薬を服用する

症状の内容によって、

・抗不安薬
・抗うつ剤
・睡眠薬

などのお薬で治療をすることができます。

しかし、これらのお薬は「自律神経を整えるために服用」するものではなく、「不安や睡眠不足を取り除くことによって、自律神経の安定を目指す」ためのものです。

つまり、「不安」「ストレス」「睡眠不足」などによって自律神経が乱れている場合は高い効果を得られる可能性がありますが、その他の原因で自律神経の乱れがある場合は、思ったような効果が得られない場合もあります。

 

漢方薬

漢方薬は、自分の体質や症状にあわせて服用することができる人気の治療法です。

抗うつ剤や精神薬よりも気軽に服用できるため人気ですが、「診断してもらわないと自分に合う漢方薬が分からない場合もある」「服用する漢方薬によっては副作用が起きることもある」というデメリットもあります。

自律神経失調症には、以下のような漢方薬がおすすめです。

漢方薬
特徴的な症状
加味逍遙散(かみしょうようさん)
めまい、頭痛、肩こり、のぼせ、発汗、イライラ、不安感、動悸、腰痛、疲れやすいなど
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんびはんげ)
神経過敏、イライラ、怒りやすい、不眠、胃腸虚弱
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
神経過敏、精神不安、のぼせ、不眠、動悸
甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう)
ヒステリー、神経過敏、神経症、不眠

漢方薬については、「更年期障害の症状を改善する漢方薬まとめ!メリット・副作用など」も参考にしてください。

 

サプリメント

「処方薬や漢方薬より、もっと手軽に症状を改善したい!」という人には、サプリメントもおすすめです。お薬よりも副作用のリスクが低く、インターネット通販で手軽に買えるため、人気を集めています。

自律神経失調症におすすめなのは、自律神経の乱れを改善する効果が期待できる「サポニン」配合のサプリメントです。

ライオン株式会社によると、サポニンには「精神安定作用」「疲労回復作用」もあるとのこと。

サポニンは、「イライラする」「なんとなく気分が落ち込みがち」などの精神症状や、「元気が出ない」「疲れやすい」などの肉体症状のどちらも感じている人にも、おすすめの成分です。

 

自律神経失調症の改善方法:生活習慣

副交感神経を優位にする(ストレスを自覚する)

自律神経失調症は、交感神経が働きすぎ、副交感神経の働きがおさえられてしまうために起こります。ですので、できるだけ副交感神経が優位になるようにしましょう。

副交感神経を高める方法は、以下のようなものがあります。

・38℃~40℃のぬるめのお湯にゆっくりつかる
・自分の好きな音楽を聴く
・カラオケで好きな曲を歌う
・森林浴をする(近所の公園を散歩する、などでもOK)
・自分が楽しめる趣味をみつける
・アロマオイルの香りを楽しむ

これら以外にも、あなたがリラックスできると感じるものであれば何でもかまいません。「気分が落ち着くな」「癒されるな」と少しでも思うものがあれば、それを積極的にするようにしてください。

 

交感神経を刺激しない

コーヒーや緑茶に入っている「カフェイン」には、覚醒作用があるため、交感神経を刺激してしまいます。また、ステロイド剤、鎮痛剤、消炎剤なども交感神経を優位にする場合があります。

 

適度な運動をする

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、自律神経を整えるのに役立ちます。また、日常生活では使わない筋肉を活用することで、循環器や呼吸器などの働きが活発になり、快食・快便・快眠などにもつながります。

さらに、運動をすることで幸せホルモンとも呼ばれている「セロトニン」が分泌され、楽しい気分になったり、心を落ち着かせることができます。

初めはおっくうかもしれませんが、一度始めてみると意外に楽しいものです。家の周りを散歩するだけでもかまいません。少し、家の外に出て軽い運動をしてみてください。
 

ゆっくりご飯を食べる

かねもと鍼灸整骨院によると、楽しみながらゆっくりとご飯を食べることで、副交感神経が優位に働くとのことです。

また、しっかりと「噛む」ことで、幸せホルモンの「セロトニン」が分泌され、心を安定させる効果も期待できます。

さらには、消化機能が高まる、速く満腹感が得られる、内臓脂肪を燃焼しやすい「ヒスタミン」が分泌される、など嬉しい効果もたくさんあります。

ご飯を食べる時には、「仕事をしながら」や「焦って早食いする」のではなく、ゆっくり楽しんで食べるようにしてみてくださいね。

 

爪をもむ・ツボをおす

自律神経を整える爪もみ療法

新潟大学大学院医学部の安保教授によると、指の爪の生え際を刺激すると、副交感神経が活発になるとのこと。「ちょっと痛いかな」と感じるくらいにつまんで、もんでください。

しかし、薬指はもまないようにしてください。薬指をもむと、交感神経が活発になってしまい、逆効果です。

 

深呼吸をする(自律訓練法)

自律訓練法とは、1962年にドイツの精神科が考案した治療法のことです。

以下のような呼吸法を、1回3~5分行うことで、心身の機能を正常に保つことができます。

1、静かな部屋で椅子に座り、手はひざの上に、頭はややうつむきかげんに、目は軽く閉じて、体の力を抜く。

2、少し息を吸って、ゆっくりとお腹の底から長く深く息を吐く。これを3回繰り返す。
 「気持ちが落ち着いている」「手足が重たい」「手足が温かい」と、心の中で何回か唱える。

3、最後に、深呼吸を2~3回して、大きく伸びをしてから目を開ける。

 

ストレスの原因を知る

自分は何が嫌いで、何をストレスに感じるのかを知るだけでも、心は楽になります。例えば、「自分が旦那に言ったことを聞いてくれていないのがストレスに感じる」とします。もしそのような状況になりイライラしたときに「私は今、イライラしているんだな」と自分の感情を認識してみるのです。

そうやって自分の気持ちを認知するだけでも、ふと心が楽になることがあります。

 

スポンサーリンク


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です