更年期障害で高血圧になる原因と予防・対策法【重症化に要注意!】

更年期障害で高血圧になる原因と予防・対策法【重症化に要注意!】
更年期に悩む主婦・山田さん
以前、たまたま家電量販店で血圧を測ってみたら、若い頃よりも血圧が高くなっていました。更年期障害で高血圧になることはあるのでしょうか?
くみちゃん先生
はい、更年期障害で高血圧(更年期高血圧とも呼ばれる)になることがあります。

20代~40代頃の女性は血圧が低い人も多く、「私は高血圧には縁がない」と思っていた方も多いのではないでしょうか。しかし、更年期(主に50歳)以降の女性は、自然と高血圧になりやすいのをご存知ですか? 厚生労働省によると、現在約4000万人もの人が高血圧症にあると報告されています。

高血圧は、命に係わる病気を引き起こす可能性があります。「一度だけ血圧が高いくらい、問題ないや」と考えて放置していると、恐ろしい病気につながってしまうかもしれません。大きな病気になってしまわないためにも、早め早めに対策を取りましょう。

この記事では、

・更年期高血圧になる原因
・更年期高血圧の対策法

についてご紹介します。

 

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更年期高血圧の基準

くみちゃん先生
日本高血圧学会が定めている、血圧の基準値は以下の通りです。
分類
最高血圧
最低血圧
至適血圧
<120
かつ
<80
正常血圧
<130
かつ
<85
正常高値血圧
130~139
または
85~89
Ⅰ度高血圧
140~159
または
90~99
Ⅱ度高血圧
160~179
または
100~109
Ⅲ度高血圧
≧180
または
≧90


(単位:mmHg)
(引用:日本高血圧学会、高血圧治療ガイドライン2009年度版)

この数値は、更年期における血圧のみでなく、全年齢に適用されるものです。血圧の正常値は、最高血圧が130mmHg未満、かつ、最低血圧が85mmHg未満と定められています。

正常高圧値は、正常という名前が付いていますが、高血圧の予備軍ともいえるため注意が必要です。

また、基準値よりも血圧が低い場合は「低血圧」であり、他の病気が考えられる可能性もあります。更年期の低血圧症状については、別の記事でご説明させていただきます。

 

なぜ高血圧は危険だと言われているの?

更年期に悩む主婦・山田さん
「高血圧は危ない!」と言われているのは知っていましたが、どうして危ないのでしょうか?
くみちゃん先生
高血圧は、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を招く可能性があるため、とても危険だと言われています。また、高血圧は自覚症状が起きにくく、気がつきにくいのも危険だと言われる理由の一つです。

本来、血管はやわらかい組織です。しかし高血圧が続くと、常に高い圧力を受け続けることになり、血管が硬くボロボロの状態になります(=動脈硬化)。動脈硬化が進行すると、血管組織の中に「悪玉コレステロール」が入りやすくなります。

悪玉コレステロールが血管細胞に入り込むと、それを退治しようとして、体の免疫作用が働きます。体の免疫が悪玉コレステロールをやっつけようとすると、「アテローム」というかたまりができてしまいます。

アテロームが大きくなると、血管内が狭くなり、血圧が上がりやすくなります。さらに、アテロームのせいで血管を拡げる物質が分泌されなくなり、さらに血圧は上がりやすくなります。こうして悪循環を繰り返すことで、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こしてしまうのです。

 

更年期障害で高血圧(更年期高血圧)になる原因

更年期に悩む主婦・山田さん
なぜ更年期以降、高血圧になりやすいんですか?
くみちゃん先生
更年期に高血圧をおこしやすい原因は、
①エストロゲン(女性ホルモン)の減少
②自律神経の乱れ

があげられます。それぞれ詳しく説明していきますね。

高血圧になる原因の9割は、一次性高血圧(本態性高血圧症とも呼ばれる)によるものです。一次性高血圧とは、高血圧になる主な原因がはっきりと特定できていないものを指します。高血圧になる原因の残りの1割は、二次性高血圧と呼ばれ、原因がはっきりとしているものを指します。

一次性高血圧は、原因が分からないとされていましたが、近年の研究によって「遺伝」もしくは「生活習慣」が要因であることが少しずつ解明されてきました。

更年期高血圧も、そのほとんどの原因が不明であるものの、やはり「生活習慣」や「食生活」も大きく関係しているとされています。

 

エストロゲンの減少

女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、血管が老化するのを防いで、高血圧を予防する働きがあることが分かっています。(「エストロゲンと女性のヘルスケア 武谷雄二著」)

しかし、私たち女性の加齢と共に卵巣機能は低下し、エストロゲンの分泌量は急激に減少します。高血圧を防いでくれていたエストロゲンが少なくなることで、更年期以降に高血圧を発症しやすいのです。

 

自律神経の乱れ

強いストレスがかかったり不安を抱える状態が続くと、交感神経が刺激されます。交感神経が刺激されると血管を流れる血液の量は増え、末梢血管が収縮するようになり、血圧が上がりやすくなります。

更年期以降の女性は、よりストレスを感じやすいものです。家庭のこと、育児のこと、両親の介護などすぐに解決しにくい問題に直面したり、更年期障害による体調不良・気分の不調などでストレスを感じることが多くなります。

イライラしがちだったり、ストレスを感じることが多いあなたは、特に注意をしたほうがいいでしょう。

また、更年期は勝手に自律神経が乱れやすくなる時期だということをご存知でしょうか。

「エストロゲンの減少」の項目でも説明しました通り、更年期になるとエストロゲンが十分に分泌できなくなります。エストロゲンが分泌できなくなると、ホルモンの分泌を調節している脳が「卵巣さん、エストロゲンが足りないので、もっとエストロゲンを分泌してね!」と指令を出します。しかし、卵巣機能は低下しているため、エストロゲンを分泌することができません。

それによって脳は「なぜエストロゲンを分泌してくれないんだ?」と混乱してしまいます。脳は、ホルモンだけでなく自律神経の調節も行っている機関です。そのため、脳が混乱すると、自律神経も乱れやすくなってしまいます。

更年期におきるホットフラッシュやめまい、疲れやすいなどの症状も、脳が混乱し自律神経が乱れることが原因です。

 

生活習慣・食習慣の乱れ

・塩分の多い食事
・栄養バランスの悪い食事
・運動不足
・肥満気味
・喫煙
・飲酒

などは、高血圧の原因の一つです。特に、塩分の多い食事には十分に注意しましょう。

私たちの体が保っていられる塩分量は決まっています。余分な塩分が体に取り込まれると、塩分を薄くしようと体の細胞から水分を取りこみ、血液の量が増加します。そして、血管中に増えてしまった塩分と水分を体の外に排出するために、腎臓にたくさんの血液が送り込まれ、腎臓に負担がかかってしまいます。こうなることで、動脈硬化がおきやすくなるのです。

厚生労働省によると、日本人の塩分摂取推奨量は約7mg未満であるにも関わらず、女性は約11mgも摂取しているというデータが報告されています。日々の塩分摂取量には十分に気を付けるようにしましょう。

 

一度でも高血圧だったときはどうすればいい?

更年期に悩む主婦・山田さん
高血圧だった場合、どのように対策すればいいのでしょうか?
くみちゃん先生
一度でも高血圧だった場合、病院で検査を受けましょう。高血圧は放置しておくメリットが何もありません。

お医者さんへ相談

一度高血圧だった人の多くは、

「職場の検診で高血圧だったけれど、別にお医者さんで診てもらう必要はないか」
「自覚症状がないから、もう少し様子を見ておこう」

と、病院での検査を受けない人がほとんどです。

厚生労働省によると、30代~40代で高血圧を発症している人の約8~9割が治療を受けておらず、その半数は血圧のコントロールができていないことが報告されています。

高血圧は、サイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれるほどの病気です。高血圧には自覚症状がないことから、気づかぬうちに症状が進行し、手遅れになって突然死に見舞われる・・・ということが少なくないからです。

東京大学大学院特別准教授の一色先生も「自覚症状がないからといって軽く考えずに、きちんと病院で検査を受けてください」とお話しされています。(引用:「NHK名医にQ 高血圧のベストアンサー 主婦と生活社」)

病院で検査を受けることで自分の健康状態を把握し、重大な病気にかかるのを避けることができます。自分の体を守るためにも、診察を受けることをおすすめします。診察してもらう科は、特に他に症状がない場合、一般的な内科でかまいません。

 

更年期高血圧を予防・対策する方法

塩分を控える

高血圧対策で一番に行うべきは減塩です。「高血圧の原因」でも説明した通り、余分な塩分摂取は、血圧をあげてしまう原因の一つ。

「高血圧治療ガイドライン2009」では、1日の塩分摂取推奨量を6mg未満としています。食材だけでなく、しょうゆ・みそ・ソースなどに含まれている塩分量にも気を付けて、塩分摂取量を減らすようにしましょう。

特に外食メニューには塩分量だけでなく、脂肪やカロリーも多くなっています。外食が続く人は、塩分量・エネルギーを確認してからメニューを選んだり、汁物は残すなどをして対策するようにしてください。

 

カリウムを摂取する

カリウムには、血圧を上げる原因である余分な塩分を体の外に排出する働きがあります。

また、カリウムには、末梢の血管を拡げて血流を改善したり、血圧を上げるホルモン「カテコールアミン」の分泌を抑える働きも持っています。

カリウムが多く含まれている食品は以下の通りです。

食品名
目安量
カリウム含有量
ほうれんそう
80g
552mg
かぼちゃ
100g
450mg
にら
80g
408mg
春菊
80g
368mg
小松菜
70g
350mg
トマト
1個(150g)
315mg

 

カルシウムを摂取する

「よくわかる最新医学 高血圧の最新治療(宗像正徳著)」によると、カルシウムを多く摂取している人は、血圧が低い傾向にあるそうです。「カルシウムが血圧を下げる理由ははっきりとは分かっていないが、効果があることに間違いはない」とも言われています。

日本人は慢性的なカルシウム不足ともいわれています。厚生労働省によると、日本人女性のカルシウム摂取推奨量は600mgとされていますが、実際のところは平均500mgしか摂取できていません。

カルシウムをきっちり摂ることは、更年期以降の骨折・骨粗しょう症の予防にもつながります。高血圧や骨粗しょう症など病気のリスクが高まる更年期からは、カルシウムを意識して摂取するようにしましょうね。

 

運動をする

運動をすることで、血の流れを良くし塩分の排出を促すだけでなく、動脈硬化や肥満を予防することができます。

ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を、1日約30分続けるようにしましょう。毎日運動するのが理想ですが、初めはなかなか続かないものですよね。「運動しなきゃいけない・・・」「今日もウォーキングできなかった、どうしよう・・・」と思い悩むと、ストレスになって交感神経が刺激され、逆に血圧が上がりやすくなってしまいます。

ですので、気分がいいときや体調がいいときなど「できるときにする!」ようにすると、案外続きますよ。近くの公園に歩くだけ、近くのスーパーに歩くだけでもかまいません。楽しいと思える運動を始めてみてくださいね。

※血圧が180mmHg/110mmHgある人は、運動によって悪影響を及ぼす可能性があります。お医者さんに相談した上で、運動を行ってください。

 

更年期高血圧に漢方薬は効果がある?

更年期に悩む主婦・山田さん
漢方薬で高血圧が改善したと聞いたことがありますが、本当に効果はあるのでしょうか?
くみちゃん先生
漢方薬は血圧そのものにアプローチするのではなく、ストレスや血行不良など血圧が上がる原因を解消することで、高血圧を下げる効果が期待できます。

降圧剤(血圧を下げる薬)とは違い、高血圧の元となっている原因を解消し、高血圧を予防・改善する効果があるとされています。高血圧だけでなくさまざまな不定愁訴(めまい、頭痛など原因が分からない症状)の改善も期待できるので、高血圧以外に悩みがある人におすすめです。

しかし、脳・心臓・腎臓などの障害が原因で高血圧がおきている場合、漢方薬で改善することはできません。

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