「最近フラフラするけど、もしかして更年期によるめまい?」と悩んでいませんか?
この記事では、更年期めまいについて詳しくご説明いたします。
【もくじ】
・更年期障害でめまいが起きる原因
・更年期障害のめまいの種類特徴
・更年期障害以外のめまいが起きる原因
・自宅でできる更年期めまいの対処法
・病院での更年期めまいの治療法
・男性の更年期めまいについて
・更年期めまいにおすすめの漢方、サプリメント
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更年期障害でめまいが起きる原因


更年期に入ると女性ホルモンが急激に減少するのですが、今まではたくさん分泌されていたのに急に減ってしまったことに脳がビックリして、自律神経をコントロールできなくなるんです。そして脳の血流が悪くなり、めまいが起きてしまうんです。


更年期に入るとめまいがする原因は、更年期で女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで、今まで分泌されていた女性ホルモンが減ってしまったことに脳が驚き、自律神経機能をコントロールしている「視床下部・下垂体」の働きが不安定になるためです。
視床下部(ししょうかぶ)は、生命活動をするのに重要な「血圧」「呼吸」「心拍数」「消化液の分泌」の調節や、中枢機能(体温の調節、感情の動き)などの調節をしています。
特に、「血圧」の調節が不安定になるため、めまいや立ちくらみが起きやすくなるのです。
更年期障害のめまいの種類・特徴

・回転性めまい
・浮動性めまい
・立ちくらみ
です。それぞれ詳しく説明していきますね。
回転性めまい
回転性めまいは、「グルグルと目が回る」、「グラグラと頭が揺れる」のが特徴です。
症状がひどいときには、吐き気があったり、嘔吐をもよおすこともあります。その場で立っていられなくなり、座り込んでしまう人もいるほど症状が強くなることもあります。回転性めまいは、数分間でおさまることもあれば、長時間続くこともあります。
回転性めまいが起きているときは、「眼振(がんしん)」が見られることがあります。眼振とは、眼球(黒目)が一方に急速に片寄ったあと、ゆっくりと中心に戻る動きのことです。遊園地のコーヒーカップに乗ったときや、グルグルバットなど体を回転させたときにも起こります。
更年期だけでなく、前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)、突発性難聴などの病気が原因で起きることもあります。このような病気が原因のめまいでは、症状が何日間も続くことがあります。
浮動性めまい(非回転性めまい)
浮動性めまいは、「船に乗っているよにフラフラする」、「体に力が入らず、雲の上を歩いているようなフワフワ感がある」のが特徴です。
回転性めまいのような激しい症状はありませんが、症状が長引きやすいという傾向があります。
更年期だけでなく、内耳の異常、脳の障害、メニエール病、突発性難聴、内耳炎、高血圧、低血圧、ストレスが原因で起きることもあります。
立ちくらみ(仮性めまい)
立ちくらみは、「急に立ち上がるとクラクラする」、「目の前がスッと暗くなる」のが特徴です。
耳や脳の病気が関係していることは少なく、高血圧や低血圧などの全身性の病気や、ストレス・疲労が原因で起きやすいとされています。
更年期症状以外のめまいの原因

また、服用している薬の副作用によってめまいが起きることもあります。
耳の病気
平衡感覚に関する情報が伝わる「内耳(ないじ)」に障害が起きることによって、めまいが起きることがあります。
・内耳炎
・メニエール病
・突発性難聴
・前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)
・聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)
・ハント症候群
脳の病気
さまざまな情報を受け取って認識したり、それらの情報を統合する「脳」に障害が起きることによって、めまいが起きやすくなります。
疑われる病気は以下の通りです。
・脳血管障害
・脳腫瘍
・椎骨(ついこつ)脳底動脈循環不全
特に脳腫瘍の初期症状として「めまい」が上げられるのですが、進行をしていくと「顔面や手足のまひ・しびれ」「頭痛」「嘔吐」「感覚が鈍くなる」「舌がもつれる」などの症状がでてきます。これらの症状が出ている場合は、すぐに病院へ診断を受けに行ってください。
全身性の病気
・糖尿病
糖尿病が進行すると、末梢血管に障害がおきたり、神経細胞にダメージが加わります。そうなることで脳への血流が不足し、めまいが起きやすくなります。
・低血圧
脳への血流不足により、めまいや立ちくらみが起きやすくなります。
・不整脈
心拍のリズムが乱れることによって、脳に十分な血液が送り出せなくなり、めまいや立ちくらみが起きやすくなります。
・動脈硬化
・高脂血症
動脈硬化や高脂血症が原因で、脳の血流障害が起きることがあります。脳の血流がスムーズにいかないと、めまいの原因になります。
・貧血
鉄欠乏性貧血の場合、血液の成分に異常があるため、脳に送られた血液が十分な働きをすることができません。そのため、めまいや立ちくらみが起きやすくなります。
・疲労、睡眠不足
疲れがたまっていたり、寝不足の状態が続くと、脳や内耳の血流に一時的な障害がおこったり、内耳の感覚細胞や神経系の働きが鈍くなることがあります。そうなることで、めまいや耳鳴りなどが起きやすくなります。
薬の副作用
めまいを起こしやすいとされている薬は以下の通りです。
・筋弛緩剤
・降圧薬
・利尿薬
・カルシウム拮抗薬
・血管拡張薬
薬の服用中にめまいが起きた場合は、すぐかかりつけの医師に相談してください。自分の判断で服用を中止すると激しい症状がでたり、危険な状態に陥ってしまうものもありますので、必ず医師との相談の上で対応をしてください。
自宅でできる更年期障害のめまいの対処法
安静にする
めまいが起きたら、まずは安静にしましょう。無理に動こうとしないで、椅子があれば座りましょう。椅子がなければその場にしゃがむか、手すりなどにつかまってください。
自宅だけではなく、外出先でも無理に動こうとしないでください。自分では「もう大丈夫かも」と思っても、正常な状態ではないので何があるか分かりません。特に交通量の多い場所にいる場合は、すぐに安全な場所に移動してください。
しっかりと睡眠をとる
寝不足が続くと、疲労やストレスがたまりやすくなり、めまいが起こりやすくなります。毎日7時間程度の睡眠をとることで、めまいを予防することができます。
ストレスを解消する
食生活を改善する
「血液をサラサラにする食べ物」を積極的に取ることと、神経代謝を促す「ビタミンB12」が含まれている食べ物を積極的に取ることで、めまいを軽くする効果が期待できます。
特に「ビタミンB12」は、末梢神経の代謝を促す作用があり、めまい改善薬にも使われています。レバー、あさり、しじみ、さんま、すじのこなどに豊富に含まれています。
軽い運動をする
体を動かすことで全身の血流が促進され、内耳の血液循環が良くなり、めまいの症状を軽くしたり予防する効果が期待できます。
飲酒は控えめにする
めまいの症状がおきているときは、基本的に飲酒は控えましょう。症状がでていないときにたしなむ程度ならかまいませんが、アルコールに弱い人は飲酒をきっかけにめまいを起こすことがありますので、飲酒量には気を付けましょう。
カフェイン、香辛料は控えめにする
コーヒーや緑茶に含まれている「カフェイン」には、神経を興奮させる作用があります。カフェインを過剰に摂取すると、めまいを引き起こすことがあります。
1日のカフェイン摂取量が250ミリグラムを超えており、情緒不安定、不眠、頻尿などの症状が複数出ている場合「カフェイン過剰摂取」の可能性があります。もしもコーヒーや緑茶を好んで飲んでいる人は、一日の摂取量を確かめてみてください。
また、香辛料にも神経を興奮させる作用があります。めまいが出ているときにはできるだけ控えた方がいいでしょう。
病院での更年期めまいの治療法


症状がめまいだけの場合は、以下のチャートを参考に受診する科を探して下さい。
(参考:「名医の図解 よくわかる耳鳴り・難聴・めまい」石井正則)
婦人科・更年期外来での検査・治療
婦人科や更年期外来では、血液検査をし、血中のホルモン量を調べます。ホルモン量が既定の数値より低い場合、「更年期」に入っていると判断することができます。
治療方法は、一般的な更年期障害の治療と同じく「ホルモン補充治療」と「漢方療法」が主流です。しかし、体質によってはホルモン補充療法によってめまいが悪化する場合もあるようです。
耳鼻科での一般的な検査・治療
耳鼻咽喉科でのめまいの検査は、主に目の動きに異常がないかを調べる「眼振検査」をします。
男性も更年期障害でめまいになる?
男性も、更年期障害の症状で「めまい」が起きることがあります。男性の更年期障害については、「男性更年期障害の原因、症状、治療方法とは【チェックリスト有り】」の記事をご覧ください。
めまい改善におすすめの漢方薬
めまい改善におすすめの漢方薬は、以下の通りです。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
・女神散(にょしんさん)
・通堂散(つうどうさん)
⇒更年期障害におすすめの漢方薬については、別の記事でご紹介いたします。
めまい改善におすすめのサプリメント
めまい改善におすすめなのは、「サポニン」が配合されているサプリメントです。
サポニンには、自律神経を調節する効果があります。自律神経が整うことで、「血圧」をコントロールしている「視床下部」の機能をサポートすることができ、めまいの症状を軽くする効果が期待できます。