「生理が遅れているけど、もしかして妊娠した・・・?」、「更年期の妊娠って、どうやって確認すればいいの?」と不安になっていませんか?
「もう閉経したものだと思って避妊をせずにいたら、妊娠していた」という例もあります。
こちらの記事では、
・更年期に妊娠する可能性と確率
・更年期の妊娠を確認する方法
・高齢出産の危険性
・更年期に確実に避妊する方法
についてご紹介しています。
スポンサーリンク
更年期(40代~50代)に妊娠する可能性はある?


「更年期になったら妊娠はしない」「更年期障害になったから、妊娠するなんてあり得ない」と考えている人がいらっしゃるようですが、更年期(40代~50代)にも妊娠する可能性はあります。
(引用:たまひよの妊活)
そもそも、私たちは排卵している限り妊娠する可能性があります。特に注意をしたいのが、「生理不順」をおこしているときです。生理不順になると、生理の周期が急激に長くなったりして、「生理が終わった(排卵が止まった)のではないか」と勘違いすることがあります。
しかし、完全に閉経したと判断できるのは、生理が約1年間止まったときです。生理が数か月こなかったからと言って避妊をせずにセックスをすると、妊娠する可能性があります。
厚生労働省の報告によると、ここ数年で20代~30代の妊娠中絶妊数は大幅に減っているのに対し、40代~50代の妊娠中絶人数は減っていないことが分かっています。これは、「排卵したと思って避妊せずにいたら、うっかり妊娠してしまったので、妊娠中絶をした」という人がまだまだたくさんいるという証拠です。
「最近月経がきていなかったから、避妊はしなくてもいいや」と油断するのは、とても危険です。完全に閉経を迎えるそのときまで、確実に避妊するようにしてくださいね。
更年期に妊娠する確率
(引用:日本生殖医学会)
日本生殖医学会によると、更年期の妊娠力は約3%~5%ほどあると報告しています。あくまで「妊娠力」であり「妊娠率」ではありませんので、明確な数値ではありませんが、更年期にも数パーセントは妊娠する確率があるということです。
更年期に妊娠したか確認する方法
基礎体温をつける
「生理が遅れている」という情報だけでは、妊娠したかどうかを判断することは難しいものです。妊娠したかどうかを見分けるためには、基礎体温をつけておくといいでしょう。
女性の基礎体温は、生理~排卵日まで体温が低くなる低温期、排卵日以降体温が高くなる高温期に入ります。排卵日に必ずしも体温が上がる訳ではありませんが、排卵前後には体温がグッと上昇するため、「このへんで排卵したな」と確認することができます。
更年期になると、排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が減少するため、体温の上昇が見られにくくなります。閉経をすると、プロゲステロンの分泌はなくなるため、高温期はなくなります。
妊娠をすると、基礎体温がガタガタと上がったり下がったりします。これは、排卵が止まって妊娠していることの証拠になります。しかし、婦人病や過度なストレスによっても無排卵になることもあることを覚えておいてくださいね。
更年期の高齢出産の危険性について

さいきんは芸能人の高齢出産の報告を聞くことも多くなり、「高齢出産でも大丈夫」だと考えている人が多いようです。しかし、高齢出産は流産の確率が高く、母子ともに大きな負担になる可能性が高いという事実があります。
(引用:厚生労働白書)
厚生労働省の「厚生労働白書」によると、女性が35歳を超えた頃から急激に流産のリスクが高まり、更年期にはさらに流産の可能性が高くなることが報告されています。(表は「不妊治療における」流産率ですが、自然妊娠でも同じような曲線を描くとされています)
また、実際にイメージはしにくいのですが、高齢出産で母親がなくなることもあり得ます。出産のさいに血管が破裂したり、脳梗塞や心筋梗塞を
おこし、亡くなる方もいらっしゃるのです。
高齢出産にいいイメージを持っていたり、「せっかく命を授かったのだから、産みたい」と考える人も多いようです。しかし、高齢出産の現状はとても過酷なものです。あなたも、生まれてくる子供も、今後とても大変な思いをする可能性が高いと言えるのです。
「絶対に子どもを産みたい」と願っているのであれば、無理に止めるつもりはありません。しかし、「なんとなく、妊娠できたらいいな」と考えるのはとても危険だということを覚えておいて頂けたらと思います。
更年期に妊娠しないための確実な避妊方法
コンドーム
コンドームは、もっとも代表的な避妊方法です。
ほぼ100%避妊することができるため、セックスをするときは必ずコンドームを使用するようにしましょう。
低用量ピル
低用量ピルは、経口避妊薬とも呼ばれているお薬です。
ピルに入っているエストロゲンとプロゲステロンが「偽妊娠状態」を作りだし排卵を止めることで、避妊をすることができます。コンドームよりも避妊できる確率が高いため、「確実に避妊をしたい」のであれば低用量ピルの服用がおすすめです。
また、低用量ピルは更年期症状の改善もすることができます。しかし、日本では「50歳未満のピルの服用は慎重にすべき」という考え方があるため、病院によっては処方をしていない場合もあります。
ただ、米国では「40歳以上でもピルによって得られる利益が、副作用のリスクを上回る」と考えられているため、その考えを重視している病院(お医者さん)では、ピルを処方しているところもあります。
更年期の低用量ピルの服用については、「低用量ピルがもつ更年期障害改善効果まとめ!副作用は?何歳まで飲める?」の記事でまとめています。こちらも参考にしてくださいね。
IUD(子宮内避妊器具・避妊リング)
IUDとは、子宮内に装着することで、数年にわたって避妊することができる小さな器具のことです。
IUDを装着することで、子宮内の環境を変え妊娠を防ぎます。着床だけでなく、受精そのものも防ぐことができるので、避妊率はかなり高いものだといわれています。
しかし、「新版更年期かしら 堂園涼子著」によると、IUDを装着していても妊娠したという例が報告されています。つまり、IUDによる避妊率は100%ではない、ということがわかります。
更年期になるとIUDのみで避妊をしている人がいるようですが、IUDのみに頼るのはやや危険です。他の避妊方法と合わせて使用することをおすすめいたします。