「急に手がこわばるようになって、心配」「関節リウマチなんじゃないかと不安」という方、いらっしゃると思います。更年期にはホルモンバランスの乱れによって、手足や体にこわばりがでやすくなる時期です。
こちらの記事では、
・手や体にこわばりがでる原因
・手や体のこわばりを改善する方法
・関節リウマチによる手足のこわばり
についてご紹介しています。
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関節リウマチによる手や体のこわばりとは

あなたが特に気になっているのは、「この手足のこばわりは、リウマチの心配があるかもしれないの?」ということではないでしょうか。まず、関節リウマチが原因による手足のこわばりについてご説明していきます。
あなたに以下のような症状がある場合、関節リウマチの可能性があります。
・片方ではなく、両手(両足)など両方の手足にこわばりがある
・朝起きたときに、両手(両足)のこわばりが15分以上ある
・1週間以上手足のこわばりが続く
リウマチが進行すると、このような手足のこわばりが続いたあと、指や足の関節が徐々にに腫れてきます。腫れている部分はドッジボールで使われるやわらかいゴムボールのような弾力性があり、押すと痛むのが特徴です。
そのまま悪化が進むと、関節を押さなくても痛みを感じるようになったり、手や足以外の前身の関節にもこわばりや腫れがでるようになります。全身の三か所以上の関節にこわばり・痛み・腫れがあるのであれば、関節リウマチだとほぼ断言することができまず。早めに病院で検査を受けるようにしてくださいね。
更年期に手足のこわばりが出る原因


①エストロゲン(女性ホルモン)の減少
②骨がもろくなっている
③圧迫したことによるしびれ
ことが考えられます。
エストロゲン(女性ホルモン)の減少
「関節リウマチによる手足のこわばり」で説明したようなこわばりでない場合、更年期のエストロゲンが急激な減少がほとんどの原因です。
加齢による卵巣の衰えでエストロゲンが十分に分泌できなくなることにより、自律神経も乱れやすくなってしまいます。自律神経が乱れると、どうしても手や足がこわばったような、動きにくくなることがあるのです。
手のこわばりによって、包丁やコップを落としたりして不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。一時的な手足のこわばりは、特に心配する必要はありません。
しかし、数日間手足のこわばりが続くようであれば、やはり検査を受けて関節リウマチでないかの検査を受けることをおすすめいたします。関節リウマチは早期治療が大切な病気です。こわばりが続くときは、早めの受診がおすすめです。
骨がもろくなっている・骨粗しょう症
骨がもろくなっているために、手足にこわばりを感じることがあります。
更年期は、どうしても骨がもろくなりやすい時期です。なぜなら、更年期にどんどん減ってしまうエストロゲン(女性ホルモン)には、骨を強くする働きがあるから。エストロゲンが減ると、骨にも悪影響を及ぼしてしまいます。
また、食が細く栄養を多く摂らない、もしくはカルシウムや骨を作るための栄養素が不足している女性も、骨がもろくなりやすいものです。
骨がもろくなると、「手足が動きにくい」「ギシギシと動かしにくい感じがする」ことがあります。
「更年期(閉経後)は骨粗しょう症になりやすい?予防・対策方法まとめ」を参考にしてください。
手を圧迫したことによるしびれ
「朝、目が覚めた時に手がこわばったような気がする」「目覚めたときに手がしびれる感じがある」という方は、手を圧迫したことによるしびれかもしれません。
寝ているときに無意識に手を枕にしたり、体の下にして圧迫していたりして、目覚めたときにしびれ(こわばり)を感じることがあります。圧迫したときに感じるしびれは数秒から数分でおさまりますので、短時間でしびれ・こわばりがなくなる場合はリウマチの心配をする必要はありません。
更年期の手足のこわばりを改善する方法


①女性ホルモンを補う
②骨を強くする
③ストレスを解消する
ことが大切です。
女性ホルモンを補う
更年期に、減ってしまう女性ホルモンを補うことで手足のこわばりを改善することができます。女性ホルモンは、ホルモン補充治療、サプリメントなどで補うことができます。
ホルモン補充治療は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって日常生活に支障をきたすほど強い症状がでている女性が、多く受けられている治療方法です。
手足のこわばりだけを改善するために治療を受ける方は少ないのですが、手足のこわばり・ホットフラッシュ・体の疲れなどさまざまな更年期症状が出ている人がホルモン補充治療を受けられることはあります。
ホルモン補充治療については、「更年期障害のホルモン治療とは!効果・副作用・乳がんのリスクを徹底紹介」こちらの記事をご覧ください。
骨を強くする
手足のこわばりを改善するためには、骨を強くすることも大切です。なぜなら、骨がもろくなることによる手足のこわばりを軽減・予防することができるからです。
具体的な「骨を強くする方法」につきましては、「更年期(閉経後)は骨粗しょう症になりやすい?予防・対策方法まとめ」を参考にしてください。
ストレスを溜めないようにする
関節リウマチを予防するためにも、ストレスをできるだけ溜めないようにしましょう。関節リウマチの患者さんの多くは、過度なストレスを抱えているとされています。
関節リウマチを患っていた私の母も、かなりストレスを溜めやすい性格でした。とても繊細で穏やかで優しい性格だったのですが、その分ストレスを抱えやすく、関節リウマチの原因になってしまっていたようです。
女性はもともとストレスを溜めやすいもの。特に更年期は体調不良や心の疲労で、さらにストレスを抱えやすい時期でもあります。日々忙しい毎日を送っている頑張り屋さんのあなたも、ぜひ手を休める時間を作って、できるだけストレスを解消するようにしてください。
「お金のこと」「両親の介護のこと」「子どものこと」など、どうしても考えなければならない事がたくさんあるかと思います。ですが、あまり思いつめないようにしましょう。知人と相談したり、公的機関の協力を得るなどして、できるだけ体と心にかかる負担を軽くしてあげてください。
関節リウマチとは

リウマチは「自己免疫疾患」と呼ばれている疾患です。「自己免疫疾患」とは、本来は外敵から身を守るために働いてくれる免疫が、ストレスなどが原因で正常に働かなくなってしまい、自分のことを攻撃してしまう疾患のことを指します。
関節リウマチは、特に男性よりも女性の方がなりやすく、女性は約3倍もの発症リスクがあるとされています。というのも、女性は男性よりもストレスを溜めやすい、ストレス耐性が弱いために、自己免疫疾患をおこしてしまいやすいのです。
「関節リウマチは、不治の病なんじゃないの?」「リウマチになったら絶対に治らない」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、それは間違いです。
少し前までは、関節リウマチに対して使える効果的な薬がなく、「一度かかったらどんどん進行してしまう病気」として知られていました。しかし最近ではリウマチによる関節の破壊を止める薬が認可され実際に使用されているため、根本的な治療ができるようになりました。
リウマチの症状に合った正しいお薬を使えば、約70%の患者さんが寛解(=全治とは言えないものの、症状がおきない状態)を目指せると言われています。
しかし大切なのが、早期発見・早期治療です。リウマチの治療は早ければ早いほど、寛解を目指しやすいとされています。手足のこわばりや腫れが数日にわたって気になる場合は、できるだけ早く専門医を受診するようにしてください。