更年期障害でうつになる?更年期うつ・うつ病の違いと治療法とは

更年期障害でうつになる?更年期うつ・うつ病の違いと治療法とは
更年期に悩む主婦・山田さん
更年期に入ってからなんだか気分が落ち込むことが増えました。ひどい時には「もう消えてしまいたい」と思ってしまいます。
くみちゃん先生
山田さん、大丈夫ですか!?更年期の女性はとくにうつ症状が出やすいんです。気分が落ち込むときは、無理をせずリラックスしてください。
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うつ病とは

日本メンタルヘルス研究センターによると、うつ病とは、脳の機能が低下することによって、日常生活をまともに過ごせないほど感情が落ち込んでしまう病気のことを指します。

この説明を読んだだけだと気づきにくいかもしれませんね。うつ病とは、精神的な症状がでるだけだと思っていませんか?実は、これは間違い。うつ病は、大きなストレスや環境の変化によって脳内の神経伝達物質の働きが低下することで発症すると、生物学的に証明されています。

うつ病になると、「今まで好きでやっていたことに全く興味がわかない」「趣味が楽しめなくなった」など、それまで楽しいと感じていたことさえ楽しめなくなります。厚生労働省によると、このような心に不調が2週間以上継続する状態を「うつ病」としています。

更年期に悩む主婦・山田さん
精神的な不調が2週間以上続くことをうつ病の条件としているのはなぜですか?1週間くらいでは、うつ病とは言わないのかしら。
くみちゃん先生
例えば、何らかの理由があって「気持ちが晴れない」「不安になって涙が止まらない」と、うつのような症状がでたとします。ですが、脳が正常であれば自分にとって楽しいこと・好きなことに触れたり、時間が経つにつれて気持ちの不調は改善されていきます。
更年期に悩む主婦・山田さん
ふむふむ。たしかに、一晩中気分が落ち込んでとてもしんどい・・・ってときでも、数日後には徐々にマシになってるってこともありますね。
くみちゃん先生
ですが「うつ病」は、脳内物質が正常に働けないことが原因です。つまり脳内物質を治療してあげないと、どれだけ時間がたっても気持ちの不調は治らないんです。

なので、うつ病に対して「根性で治せる」「気持ちを切り替えれば何とかなる」なんて考えをするのは、もってのほかなんですよ。

基本的に「2週間以上症状が続くことをうつ病」とされていますが、2週間以上症状が続かないから軽視してもいいという訳ではありません。時間がたったり何らかの影響で徐々に心が回復していく場合も「軽度のうつ病」とされています。

症状

「うつの治し方(三木治著)」によると、うつ病の三大症状は「おっくう感」「憂うつ感」「不安・焦燥感」とされています。壮年期にはおっくう感が、老年期に近づくほど不安・焦燥感が強くなる傾向にあります。

そして、体に起きる症状で最も多いのが「全身倦怠感」。次いで「睡眠障害」です。睡眠障害とは、「なかなか寝付けない」「寝ても夜中に目が覚めてしまう」「朝早く目が覚めてしまう」「ぐっすり眠れた感じがしない」ことを指します。

 

診断マニュアル

また、一つの診断基準として、「DSM-Ⅳ」という診断マニュアルが世界的に使用されています。この診断マニュアルだけで完全に診断がつく訳ではありませんが、参考にはなりますので、一度チェックしてみてもいいでしょう。

下記の質問で、あてはまる症状が2週間以上続いている場合は「はい」としてください。1、2のどちらかが「はい」で、それを含む合計5つ以上「はい」になる場合、うつ病と診断されます。

ほとんど毎日、気分が晴れず、憂うつな気分が続いている
はい・いいえ
好きだったことに興味がなくなったり、何を見ても聞いても喜びや楽しみを感じることがない
はい・いいえ
ここ一ヵ月以内に体重が減った、あるいは増えた。食欲がない、あるいは食欲が増した
はい・いいえ
ほとんど毎晩のように寝つきが悪い、真夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、寝すぎてしまう、など睡眠に問題がある
はい・いいえ
理由もないのに気が焦ったり、やたらとイライラする
はい・いいえ
無理をして働いたり、運動をしたわけでもないのに疲労感がする。物事に対するやる気がおきない。
はい・いいえ
「自分はダメな人間だ」あるいは「価値のない人間だ」など、自分自身に対して罪悪感がある
はい・いいえ
集中力が働かず、何かを判断したり決断したりできない
はい・いいえ
「自分が死んでいればよかった」と繰り返し考えたり、漠然と「どんな方法で死のうか」と考えることがある
はい・いいえ


(引用:うつの治し方 三木治著)

あなたはどれくらい当てはまったでしょうか。当てはまる項目が多い場合、うつ病の疑いがあります。前に無理をせず、病院で診断を受けてくださいね。

 

更年期うつとは

更年期に悩む主婦・山田さん
普通のうつ病と、更年期うつはどう違んですか?
くみちゃん先生
通常のうつ病は、脳の物質が正しく働かないことが原因でおきる病気です。

それに対し、更年期うつは、更年期障害の症状としてうつになってしまう病気です。

「更年期うつ」とは、主に「更年期(主に40歳~60歳)にうつ病になること」ではなく、「更年期障害の症状でうつになる」ことを指します。

更年期障害とは、卵巣で作り出していたエストロゲン(女性ホルモン)が加齢による機能低下で徐々に作ることができなくなり、自律神経が乱れ、ホットフラッシュ、めまい、頭痛などの症状がでる病気のことです。

環境の変化やメンタルが不調になる大きな原因がなくても、うつ状態になる可能性があるのです。「大きな悩みがある訳でもないし、環境の変化があった訳でもないのに悲しくなってしまう」「ホットフラッシュやめまいなどの症状もある」場合には、更年期障害によるうつ(=更年期うつ)の可能性が考えられます。

 

更年期うつの原因

女性ホルモンの低下

更年期の女性は、誰でも、うつになりやすい理由があります。それが「女性ホルモンの低下」です。というのも、エストロゲン(女性ホルモン)には、気分を調節したり、幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンを活性化する働きがあります。

年齢ごとのエストロゲンレベル比較データ

しかし、年齢を重ねると共に卵巣の機能は低下してしまい、エストロゲンの分泌量が激減してしまいます。気分を調節してくれていたエストロゲンが減少することで、気分が落ち込んでうつ状態になりやすくなるのです。

 

環境など変化による気持ちの不調

「うつ病とは」でも説明しましたが、うつは環境の変化によって起きることがあります。特に更年期は、親との死別、親の介護問題、自分の健康、子どもの進路・就職、夫婦関係など、悩みの種が多くなりがち。

さまざまな悩みをあれこれ考えているうちに不安な気持ちでいっぱいになり、「一日中、いつ何をしていても不安」「生きる気力がわかない」といううつ状態におちいることがあります。

 

更年期うつ・うつ病の見分け方と治療方法

更年期に悩む主婦・山田さん
「更年期障害によるうつ」なのか通常の「うつ病」なのか、どちらか分かりません。

更年期障害によるうつか、一般的なうつ病かを見分けるのがとても難しいこともあります。

ホットフラッシュ、めまい、頭痛、吐き気などの症状も同時に出ている場合、「更年期障害によるうつ」だと判断しやすいのですが、更年期障害で、気分の落ち込みやイライラなどのうつ症だけを発症する場合もあります。

また、通常のうつ病の場合も、精神的な不調だけでなく、めまい、頭痛、体のだるさなど、更年期障害でおきる症状が見られることもあります。こうなったときに、更年期うつかうつ病かの判断がつきにくくなります。

医療法人社団ハートクリニックによると、更年期障害によるうつか、心理社会的要因によるうつかを判断できない場合、ホルモン補充治療を行いその結果を見たあとに治療方法を決めることも有効であるとしています。

更年期うつかうつ病か判断できないけれど病院の治療を希望する場合は、まずは婦人科や更年期外来で診断を受けることをおすすめしています。

 

更年期障害のうつ(更年期うつ)の対策法

ホルモン補充治療

ホルモン補充治療(HRT=Hormone Replacement Therapy)は、更年期に欠乏する女性ホルモンを補充し、更年期症状を改善・軽減する治療法のことです。注射、飲み薬、塗り薬などでホルモンを補充することができます。

女性ホルモンの減少によって症状がでている場合に効果的な治療法で、人によっては治療を受けた翌日に症状の改善を実感できる人もいます。

しかし、人によっては「気分が悪い」「アレルギー症状がでる」などの副作用が起きて治療を断念する人もいます。また、条件によってはホルモン補充治療を受けることができないこともあります。

ホルモン補充治療について、詳しくは「更年期障害の症状を改善する市販薬・処方薬とは?効果や副作用は?」をご覧ください。

 

漢方・サプリメント

ホルモン治療に抵抗がある
ホルモン治療を受けられない
病院で治療を受けるほどではない
できるだけ自宅で治したい

という方には、漢方やサプリメントの服用をおすすめします。特に漢方には心と体、両方の症状をやわらげてくれるものがあります。

漢方について、詳しくは「更年期障害の症状を改善する漢方薬まとめ!メリット・副作用など」をご覧ください。

 

うつ病の対策法

向うつ薬

抗うつ薬は、脳内の神経伝達を正常な状態に戻すことでうつ病を治します。人によって効果が実感できる期間は異なりますが、1週間~2週間程度で効果を実感する人が多いようです。

決まった量を決まった期間服用することで症状を改善していくので、最低でも3ヵ月~半年を目安に服用を続けます。薬を飲みだして調子がよくなると服用をやめてしまう人がいるのですが、脳内の正常化が行われている途中であるため、副作用やうつ症状の再発してしまうこともあります。

薬の種類によっては、口の渇き、便秘などの副作用を起こすことがあります。

 

更年期うつ・うつ病の対策法

抑うつ感はあるけれど病院で治療を受けるほどではなく、自分でできる対策を知りたい方は以下を参考にしてください。

悩みを抱え込みすぎない

解決できない悩みがあるときに、「どうすればいいのだろう」と何度も何度も考えてしまってはいませんか?同じ悩みを何度も考え続けることは、心にも体にもダメージを与えボロボロに壊してしまいます。

特に解決できない悩みや、自分ではどうしようもできない悩みがあるとき、考えてしまいがちですよね。ですが、「考えても状況は変わらない!」と、一度思い込んでみてください。もちろん、すぐにはできないことの方が多いです。ですが、自分を守るためにも「そんなに考えたってしょうがないよ!」と思い込んでみてください。

本当は「どうしよう、困った、つらいよ」と思っていても、無理矢理「もう考えなくてもいいよ、大丈夫だよ」と思い込むことで、脳がだまされて、みずから「大丈夫だ!」と思えるときがきますよ。

 

無理をしない

うつ病は、「私なんてダメ人間だ」「他の人も頑張っているんだから、私もちゃんとしなくちゃ」と頑張ってしまいがちの人がなりやすいと言われています。そして、自分のことを差し置いて他人を優先するような優しい人も、うつ病になりやすいのです。

あなたも、とても優しい人で、よく頑張る方なのだと思います。きっと、色んなときに色んな場所で「無理をして」「頑張ってしまう」のだと思います。ですが、もう頑張らなくて大丈夫です。無理をしなくて大丈夫です。自分のことを一番に考えて、自分に一番優しくしてあげてください。大切にしてあげてください。

無理をすればするほど、気持ちは空回ってしまいます。気持ちが空回りするほど、「私ってこんなんだからダメなんだ」とさらに深く心が病んでしまいます。悪循環にはまってしまいます。

少しでも気持ちを楽にするために、気持ちの面でも、体の面でも、無理をするのはやめましょうね。

 

うつ病と認知症の初期症状が似ている?

更年期に悩む主婦・山田さん
認知症の初期症状とうつ病は似ているって本当ですか?
くみちゃん先生
はい、うつ病と認知症の症状はとてもよく似ているため、間違えられることも多いんです。
更年期に悩む主婦・山田さん
なるほど。見分け方はあるのでしょうか?
くみちゃん先生
認知症の初期症状には激しい物忘れが見られることが多いので、物忘れがあるかどうかを確認してみてください。
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